書くことが使命

tennimu forever

卒業します!

まるきゅうProject・スピンオフ企画「ミュージカル『テニスの王子様』再現してみた 3」を応援してくださっている皆様,いつもありがとうございます。企画代表のNAPと申します。これまで,当企画においては亜久津仁・跡部景吾・真田弦一郎をさせていただきました。

 

今回,第71回駒場祭(2020)を以ってまるきゅうProjectを引退しましたので,まるきゅうProjectと私の関わりを振り返って記しておこうと考え,本記事を書いております。もしよければ最後までお付き合いいただけると幸いです。 

 

テニミュ再現」3rdシーズン旗揚げまで

まるきゅうProject加入のきっかけ

私は2017年4月に東京大学へ進学し,まるきゅうProjectに加入したのち,入学すぐの第90回五月祭(2017)「東大踊々夢」に出演しました。入学まもない新1年生がいきなりこんなよくわからないサークルに入るのはなかなかハードルが高く,大勢の観客の方々を前にコスプレ姿でダンスを披露するというのは実に勇気ある行動だと思います。私は入学後に加入を決意したのではなく,この団体の活動に参加することを入学前から目標の一つにしていました。

 

私がまるきゅうProjectの活動を知ったのは高校生の頃で,きっかけはニコニコ動画で「東大生がテニミュを再現してみた」シリーズ(以下,「テニミュ再現」)を発見したことでした。私にとって「テニミュ」というコンテンツ自体もニコニコ動画がきっかけで爆発したのですが,「こんな面白いことをやっているサークルが東京大学にはある!」と知ったときにはさらに気持ちが高まり,絶対に自分もやってみたい!と強く思うようになりました。

 

テニミュ再現」2ndシーズンへの参加

実際に私が初めて「テニミュ再現」に参加したのは,第68回駒場祭(2017)・2ndシーズン 全国大会 青学 vs 立海 の再現公演です。私が演じることになったキャラクターは比嘉中・田仁志慧(「慧」の字は旧字体)で,主人公・リョーマが失った記憶を体で取り戻すために他のライバルズ達とともにリョーマと再戦するという役割です。「テニミュ」再現2ndシーズンを走ってこられた先輩方にとっては集大成となる最終公演である一方,私にとっては右も左もわからない初公演であり,高校生のときから一つの目標にしていた企画に自分も関わっていることの嬉しさと,その企画に自分が傷をつけることは絶対に嫌だという焦りとが混ざり合いながら,多くの先輩方の支えもありなんとか自分の役割を果たすことができました。しかし,私の中ではまだまだ出し切れなかったものがあった悔しさや,これで「テニミュ再現」企画を終わりにさせたくないという思いもあり,私と同じくこの駒場祭で初めて「テニミュ再現」に関わった仲間と協力して,新たに「ミュージカル『テニスの王子様』再現してみた 3」を立ち上げることにしました。「テニミュ再現」3rdの始動を決意したのは,実に第68回駒場祭(2017)が終結してまもなくのことでした。以来,私は「テニミュ再現」3rdシーズンの総責任者としてこの企画に関わってきました。

 

テニミュ再現」3rdシーズン旗揚げとその課題

まるきゅうProjectには,下は学部1年から上は博士課程まで,幅広い学年層から多くのメンバーが参加していますが,中でも突出して多いのが私の同期にあたる2017年度入学者です。メイン企画「東大踊々夢」ではもちろんのこと,スピンオフ企画「テニミュ再現」3rdを運営する中でも,当然ながらこの学年のメンバーが企画の中心となりました。そうすると,一つ大きな問題となるのはメンバーの卒業時期です。旗揚げ当初から懸念されたのは,同期全員が現役学生であるうちは仮に人員確保に困らなかったとしても,いざ卒業年(2021年)を迎えてしまうとそれ以降の学祭では企画が成立しなくなるのではないか,という課題でした。(また,実際には,団体に同期のメンバーがこれだけいようとも,「テニミュ再現」3rdは初回公演以降常に人員不足に直面し続けました。)このような理由から,第91回五月祭(2018)に始動した「テニミュ再現」3rdは第71回駒場祭(2020)を以って終結させようという前提のもとで公演スケジュールを組み立てました。具体的には,以下の通りです。

  • 第1回公演・第91回五月祭(2018)(3rd 青学 vs 山吹)
  • 第2回公演・第69回駒場祭(2018)(3rd 青学 vs 氷帝)
  • 第3回公演・第92回五月祭(2019)(3rd 青学 vs 立海)
  • 第4回公演・第70回駒場祭(2019)(3rd 全国大会 青学 vs 氷帝)
  • 第5回公演・第93回五月祭(2020)(3rd 青学 vs 四天宝寺)
  • 第6回公演・第71回駒場祭(2020)(3rd 全国大会 青学 vs 立海)

 

先輩方が築き上げた過去シーズンの「テニミュ再現」と比較すると,1点だけ異なるのは 青学 vs 山吹 公演の存在です。我々は当初,先輩方に倣って旗揚げ公演に 3rd 青学 vs 氷帝 を選択するつもりでした。しかし,これにはいくつか問題点がありました。

  • 第1回公演・第91回五月祭(2018)(3rd 青学 vs 氷帝)?
  • 第2回公演・第69回駒場祭(2018)(3rd 青学 vs 立海)?
  • 第3回公演・第92回五月祭(2019)(3rd 全国大会 青学 vs 氷帝)?
  • 第4回公演・第70回駒場祭(2019)(3rd 青学 vs 四天宝寺)?
  • 第5回公演・第93回五月祭(2020)(3rd 全国大会 青学 vs 立海)?

 

第一には,本家公演の圧倒的なクオリティの高さにあります。3rd 青学 vs 氷帝 は,越前リョーマ役・古田一紀さんを中心とする8代目青学の卒業公演です。また,青学と相対する氷帝の方々も,跡部景吾役・三浦宏規さんを中心に歌・ダンスともに抜群のキレがあり,テニミュ俳優としてはデビュー公演ながらも青学と互角の激しい熱戦を演じられました。「テニミュ再現」3rdの旗揚げを決めてからたった半年後に,極めて経験の浅い我々がこの公演を再現して学祭の客前に出すことはできるのか,大いに疑問の余地がありました。

 

2点目の問題は,五月祭と駒場祭の日数の違いです。仮に第91回五月祭(2018)を旗揚げ公演に選び 3rd 青学 vs 氷帝 の再現公演を行ったとすると,3rd 全国大会 青学 vs 立海 再現公演を迎えるのは第93回五月祭(2020)となります。しかし,この公演はS3からS1まで全5試合あることに加えてライバルズとの戦いが描写されるため,2日間しかない五月祭の場では時間的制約が厳しいことが容易に想像されます。

 

これらを同時に解決する方案として,旗揚げ公演に 3rd 青学 vs 山吹 を選択するという考えが浮かびました。第一の課題に対しては,8代目卒業公演よりも前に遡って旗揚げ公演を選択することで,自分たちの初公演に対するプレッシャーやハードルを下げたいという考えがありました。また,3rd 青学 vs 氷帝 に先立って 3rd 青学 vs 山吹 の再現公演を行うことで,学祭のスケジュールが一つずつずれるため 3rd 全国大会 青学 vs 立海 再現公演を迎えるのは開催日数が3日間の駒場祭となり,第2の問題点も解決します*1。また,終始プライドをかけた熱戦が続き時にシリアスな展開も踏まえる 3rd 青学 vs 氷帝 とは異なり,全体的には明るいムードで賑やかな 3rd 青学 vs 山吹 は,まるきゅうProjectの中からテニプリテニミュに興味のない人を捕まえて「テニミュ再現」3rdに参加してもらうためにも取り組んでもらいやすい公演でした。

 

過去公演の振り返り 

第1回公演・青学 vs 山吹 - 亜久津仁

リョーマとの試合はこの公演の見せ場であり,発展途上のリョーマが怪童・亜久津との戦いの中で成長していく姿が描かれ,試合中の「親父,もっと強くなりたい!」という台詞には普段はクールなリョーマの奥底にある熱い一面が見えます。「テニミュ再現」3rdの初演ではあるものの,五月祭みどころ企画に選定されたことでTwitterやパンフレットなどで広く宣伝していただくこととなり,「テニミュ再現」2ndまでの人気も相まって多くの方々にご覧いただくことができました。亜久津の独特なフォームに苦戦しながらも,初演にしてはなかなか完成度も良かったと先輩方からありがたいお言葉もいただき,次回公演への励みにもなりました。ただ,リョーマと亜久津の試合はたった15分程度しかないのですが,当時の私はこの試合を一本通すだけで肩が上がりフォームが崩れるなど,スタミナのなさが一番の課題でした。

 

第2回公演・青学 vs 氷帝 - 跡部景吾

当初は忍足侑士をやりたいと思っていたのですが,とある経緯で跡部景吾をやらせていただくことになりました(なお,忍足侑士をやることはその次の五月祭「東大踊々夢」で実現しました)。手塚国光 vs 跡部景吾といえば,ファン投票で1位に選ばれるほどの名試合として知られる対戦カードです*2。加えて,跡部景吾というキャラクターそのものが持つ魅力や人気も圧倒的であり,公演準備にあたっては初演以上に大きなプレッシャーを背負うことになりました。

 

この公演からの取り組みとして,日替わり要素を入れることになりました。山吹公演では2日間とも公演内容をD2・S3・S2で固定していましたが,氷帝公演では1日目にD1・S2,2日目にS1・控え戦というように試合を入れ替えて上演しました。『オール・フォー・テニス』『俺たちはブリザード』のように2日間とも演目に入っている曲とは違って,S1の試合は2日目一発勝負であり,悔いのないよう全身全霊をその20分間にぶつけようと意気込みました。いざ終わってみると「あの場面でもう少し体をうまく使えれば」などと後悔も多々ありましたが,跡部景吾という大役に自分が携わることができたことが何より嬉しかったです。また,「テニミュ再現」2ndの氷帝を演じられた先輩方からの応援や感想なども大いなる励みになりました。

 

第3回公演・青学 vs 立海 - 真田弦一郎

立海公演では真田弦一郎をやりました。実は先述の「テニミュ再現」2nd 全国大会 青学 vs 立海に参加したとき,田仁志慧とは別にもう一つ私がやることになったキャラクターが真田弦一郎でした。公演1日目だけどうしても出演できない先輩に代わってサポートキャストとして真田弦一郎をやらせていただき,試合こそしなかったものの,『ウィニング・ロード』や『頑張れ負けるな必ず勝て』を立海サイドとして踊ることができたのはとても嬉しく心に残っている思い出です。以来,「テニミュ再現」3rdが立ち上がっても立海公演の時には必ず真田弦一郎として試合までやり遂げたいと思い続け,この公演にあたって無事真田弦一郎を引き受けることができました。

 

この公演では,氷帝公演よりもさらに日替わり要素を増やすことになりました。1日目にはリョーマ vs 切原・D2・D1,2日目にはS3・S2・S1と,草試合も含めた全6試合の再現に挑戦しました。さらに学校曲も両日入れ替えることで,『勝つことが使命』『ウィ・アー・ザ・ウィナー』『お前ら...崖っぷちギリギリ』『ここからが...俺達』の4曲を盛り込むこともできました。当然ながら,練習スケジュールの面では過去公演の倍ほどの負担がのしかかり,5月下旬の公演に間に合わせるために練習は2月下旬から本格化し,春休み中は週3-4日,GW中に至っては10連休のうち7日間を練習に費やすことになりました。2日間で本格的に別構成をとることについて,準備段階の当初は企画構成員からの反対意見や不安の声などもありましたが,立海公演にあたって自分の思い入れの強さを訴える形で構成員に納得してもらい,公演終了後にはこの別構成をとって良かった・楽しかったと構成員から言ってもらえたことが私にとって何よりの成功でした。

 

S1の試合については,山吹公演S2のときと比較しておよそ倍ほどの約30分にわたる内容であり,練習当時からとても苦労しました。実際の本番では炎天下で地面からの照り返しもなかなかに厳しく,試合途中で水分補給がしたいと何度も心で叫びました*3が,公演にかける気持ちの強さでなんとか凌ぎ切りました。また,個人的に『テニスの王子様』で一番好きな試合は全国大会決勝戦手塚国光 vs 真田弦一郎戦なので,立海公演終了後には手塚役の人と「全国決勝戦を楽しみにしよう」という会話をしました。結果としてこれは残念ながら叶わないことになってしまいましたが,この立海公演においては悔いのない結果を修めることができました。

 

第4回公演・全国大会 青学 vs 氷帝 - 跡部景吾

 1年ぶりに氷帝へ帰ってくることができ,再び跡部景吾をやりました。『氷の刃』に代表されるように全国大会では氷帝学園の一挙手一投足が一段と進化し,跡部景吾としての強さとしなやかさを前回よりももっと全面に押し出して表現することができるかどうかが課題でした。1年前には曲と動きとリンクさせて覚えるだけで必死だったのが,立海公演を経て自分にもっとできることや自分に足りないことに段々と気付けるようになり,跡部景吾としてのキャラクターをどの瞬間でも維持するために手先や足の構え方に特に注意して動くことを意識しました。

 

この公演で最も辛かったことは,本番2日間にわたる悪天候でした。1日目のS3・D2・S2では文字通りの『ヘビーレイン』で雨が降り止まず,ベンチで寒さに全身を震わせながら他の人の試合を観察していました。しかし,どの試合メンバーも体を縮こませることなく全身で熱戦を表現しており,ベンチからとても心を打たれました。開演直前まで「この雨では公演は厳しいんじゃないか」などと結論がなかなか出ず,どうしてもやりたいという人の強い気持ちで押し切って雨天決行になったのですが,いざやってみると激しい雨の中でも全員があらゆる力を振り絞っているのが印象的でした。2日目には雨こそ上がっていたものの,濡れたアスファルトの上ではメリハリのある動きをするときに踏みとどまることが難しく,リョーマのスマッシュに対して羆落としを決めるシーンで体の軸がブレてしまったり,またラケットのグリップにも水気が浸透してしまって手に張り付き,タンホイザーサーブをうまく打てなかったりなど,天候ゆえの不測の失敗に多く悩まされてしまいました。

 

「あの雨さえなければもっといい動きができたのに」という言葉は,この公演に参加した全ての企画構成員にとって共通の悲痛な思いでした。しかし,それと同時に,「この雨でも企画を中途半端に止めることなく最後までやり切った」という強い連帯も生まれ,公演後には過去公演と比してとても大きな達成感であふれました。立海公演時には2日間とも発電機の不具合に遭遇し,この全国氷帝公演の雨と合わせてトラブルが続いたことから,冗談まじりに「次の公演は何もトラブルがなければいいね」と会話することもありました。しかし,この全国氷帝公演が終わった時点では,機材や天候のトラブル以上に強烈な問題が待っていることは全く誰も想定していませんでした。

 

コロナ問題による学祭参加の中止

第93回五月祭(2020)の動向

年が明け,学期末試験やレポートが落ち着き始める2月頃には次なる四天宝寺公演*4に向けての準備を開始し,3月まで順調に練習が進んでいました。3月24日時点では4月以降のスケジュールを確定させ,「4月から試合の通し練習を一つずつ見ていこう」という話もしていました。

 

しかし,翌25日から事態は大きく変化します。教養学部長から「教養学部におけるサークル活動全般の禁止」を含む緊急要請が発表され*5,続く26日には本部学生担当理事から「学生による課外活動および課外活動施設の利用を当面の間中止」する旨が通達された*6ことにより,事実上一切の学祭準備を凍結することを余儀なくされました。当然ながら第93回五月祭(2020)の存続自体も危ぶまれ,当初の開催予定日だった5月中旬を過ぎてもなお延期日程が確定せず,本当に延期されるのか,それとも五月祭は完全に中止されるのか,何もわからず何もできることがないまま時間のみが過ぎていきました。

 

6月下旬に入ってようやく,五月祭の延期日程は9月下旬を予定していることが告知され,またオンライン化のため対面公開を行うことができないことも決まっていました。そこで,我々の主眼は「五月祭への参加を維持してオンラインでのみ公開するか,あるいは五月祭への参加を辞退して対面公開するか」に置かれました。企画構成員の一部には「せっかく企画を公開するならお客さんに生で披露する対面公開でやりたい」という声も強く,企画内部でも結論をすぐに出すことはできませんでした。五月祭への参加を辞退して自力で小劇場やホールなどを借りることまで想定して,いくつかの候補施設を選定することまで実際にやっていました。

 

しかし,7月中旬にはさらに事態が悪化します。五月祭常任委員会と大学当局との交渉の結果,オンライン五月祭においてキャンパス構内の企画ステージが設置できないことになりました*7。これを受けて,もはや企画公開を実現するには外部の施設を借りることが必要条件になってしまいました。また,この時点ではまだキャンパス構内における課外活動が解禁されていなかったため,本番のみならず練習に際しても外部の施設に頼るしかなく,予算上の制約もあり極めて厳しい条件下に置かれてしまいました。

 

企画内部で意見をまとめ,「五月祭への参加を維持しつつ,外部施設を借りて対面公開を伴わないオンライン配信を行う」方向性で一致したものの,8月に入ってなおキャンパス構内での練習再開が実現する見込みはありませんでした。最終的には,開催1ヶ月前の8月下旬になって最早企画を維持することは不可能と判断し,当企画は五月祭常任委員会に対して正式に企画中止を通告しました。

また,「テニミュ再現」に先立って企画中止を表明していた「東大踊々夢」と合わせて,まるきゅうProjectは2010年の団体結成以来初めての学祭不参加となりました。

 

第71回駒場祭(2020)の動向

こうして我々はオンライン五月祭への不参加と企画中止を決定しましたが,この時点で既に8月も終わろうとしており,例年であれば11月の駒場祭に向けて準備がある程度進んでいなければならない時期でもありました。

 

テニミュ再現」としての理想形は,企画中止となった第93回五月祭(2020)の構成員と内容そのままで企画を継続させることでした。しかしながら,3月に始まり8月まで尾を引いた一連の流れに心が疲れてしまった企画構成員も多く,主要なメンバーが外れてしまうという事態が起こりました。どうにかして人員を確保し企画を継続させるため,私と他の構成員とで協力しながら駒場祭委員会との意思疎通を維持し,また練習再開が可能になるような条件を探していました。また,YouTube Liveを利用したオンライン配信が予定されていたことも踏まえて,人員確保や練習再開の他にもいくつかクリアしなければならない課題があったのですが,あるときから自分自身の心も完全に折れてしまったことを実感し,再び企画中止を決断する運びとなりました。

 

おわりに

二度にわたって企画を中止せざるを得なかったことや,自分自身の卒業までに「テニミュ再現」3rdを完遂させられなかったことが,今になっても飲み込みきれない辛さとして残り続けています。

 

本来であれば,第91回五月祭(2018)に幕を開けた「ミュージカル『テニスの王子様』再現してみた 3」は,無事に第71回駒場祭(2020)(3rd 全国大会 青学 vs 立海)において終幕し,これを以ってメンバーの多くが卒業・引退を迎えるはずでした。しかし,現実には道半ばで大きな挫折を味わい,入学前から目標にしていたはずの思いは完全に実を結ぶことなく散ってしまいました。「東大踊々夢」は第71回駒場祭(2020)において企画を実現することができたため,幸いにも2020年何もないまままるきゅうProjectを引退するということだけは避けられましたが,それでも今まで多くの苦楽を共にした「テニミュ再現」が2020年に実現しないまま卒業することは語りきれないほどの悔しさでいっぱいです。

 

この引退と卒業を以って,私は「ミュージカル『テニスの王子様』再現してみた 3」企画代表を降ります。しかし,大学院へ進学する同期や他の後輩たちが,この企画を消えさせることなく残していくにはどうすればいいのかを,いま真剣に考えてくれています。自分のいない「テニミュ再現」3rdとは随分不思議な感覚のするものですが,それでも企画を完遂するために動いてくれている彼らにはとても感謝しきれません。色々な制約から完全には解放されていない現状のままでは,これまで通りの企画運営ではうまくいかないことが多いとは思いますが,私は今後もまるきゅうProjectと「ミュージカル『テニスの王子様』再現してみた 3」を応援し続けます。どうか皆様も,今後とも引き続き当団体の活動について応援のほどよろしくお願いいたします。

 

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テニミュ再現」では叶わなかった千歳千里を「東大踊々夢」でやりました。

*1:実際のミュージカル『テニスの王子様』3rd シーズン 全国大会 青学 vs 立海 公演は,1stシーズンの形式に戻る形で前編・後編の2公演に分割されました。これにより,テニミュ3rdシーズンの本公演終結は2020年2月となり,後編公演のDVD・Blu-ray発売は2020年5月を待つことになりました。これでは第93回五月祭(2020)には到底間に合わず,仮に当初の予定通り 3rd 青学 vs 氷帝 を旗揚げ公演に選択したとしても,結果として 3rd 全国大会 青学 vs 立海 公演 の再現を前後編に分割せざるを得ず,「テニミュ再現」3rdの終幕はいずれにせよ第71回駒場祭(2020)となっていたことでしょう。

*2:「あなたが選ぶテニプリベストゲーム」:2017年7月7日にTwitter上で開催された投票企画。そのほか,第2位はリョーマ vs 幸村,第3位は不二周助 vs 白石蔵ノ介。

*3:リョーマ vs 真田の試合は,一旦始まるとほとんど舞台袖に捌けることができず,ベンチにも戻らないので,20分以上休憩なしで動き続けるのがとても辛かったです。

*4:無事に企画が公開できていれば,1年トリオを除いた全てのキャラクターを出演させられる予定でした。当企画は毎回のことながら人数不足に悩まされており,主要なキャラクターであっても欠けが出てしまったり一人二役せざるを得なかったりというのが常態化していましたが,この四天宝寺公演では青学レギュラー・四天宝寺・橘桔平・亜久津仁・渡邊オサムが全て揃っていました。さらに,音響・撮影スタッフを兼ねて神尾アキラ・石田鉄の配役も準備しており,橘桔平 vs 千歳千里戦直前の演出である神尾アキラ・石田鉄ペア vs 石田銀忍足謙也ペアの試合までこだわって再現する予定でした。ここまで人員が揃うのは過去公演にないことであり,それだけにこの公演を実現させられなかったのはとてもやりきれない思いです。

*5:https://www.c.u-tokyo.ac.jp/topics/files/20200325.pdf

*6:https://www.u-tokyo.ac.jp/content/400136604.pdf

*7:続く第71回駒場祭(2020)では,学祭はオンライン化したもののキャンパス構内のステージ設置は維持されたため,外部施設を借りるという問題は生じませんでした。これが第93回五月祭(2020)と大きく異なる点であり,駒場祭においてもステージが設置されなければ「東大踊々夢」は実現できませんでした。